サントペテルブルグフィルハーモニー交響楽団
この11月7日のNHKホールで行われたサントペテルブルグフィルハーモニー交響楽団の演奏録画がBS2 で放映され、録画してDVDにコピーした。
この演奏をもう4回も聞きなおした。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲と交響曲第5番「悲愴」である。
ソロの庄司紗矢加香の演奏も素晴らしいが、ここでは交響曲第5番「悲愴」について。
ロシアの交響楽団では昨年梅田のシンホニーホールでのプレトにエフ指揮のロシアナショナル交響楽団を聞いたが、その時のドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を聞いたが、管楽器の圧倒的な響きが耳に残っている。
今回のサントペテルブルグシンホニーオーケストラの演奏も映像が見れるだけにその端正で品格のある佇まいと演奏には驚いた。大変に失礼な話だが35年ほど前にモスクワで1週間、15年ほど前にハバロスク、サハリンスクで5日程訪問した時の 旧ソ連やロシアの悪印象とは全く異なったものであった。指揮者テルミカフの指揮、コンサートマスターの演奏ぶりなど全く紳士然とした振るまいには感心した。そしてやはり管・打楽器の響きの素晴らしさはやはりロシアかと思わせた。
オーケストラはステージの最前に出てきて、コントラバスは左奥で5,6人がいる。その前にチェロが座っている。全体的に弦より管のウエイトが大きいと思われる。テルミカフのタクトは大げさではなく、むしろ振らない時もあるくらい。庄司紗矢香はもうこの指揮者で何回か演奏しているのか時々指揮者を見上げてにっこり相槌をうって微笑む。
4楽章の盛り上がりに向けて管が鳴りやまない。ドラムもオーケストラをリードするように孤軍扮装である。リズムが快い。巨漢のホルン演奏が弦との協奏をする。トランペットが唸る。フルートとクラリネットが主題を刻む。このフルート奏者はまさにロシア美人。高音のメロデイがホールに響く。第二ヴァイオリンの中に老婦人がいる。老若一緒のこのオーケストラが指揮者のタクトで一つの音の芸術を創り上げる。
終わった時の拍手やブラボーは鳴りやまず、長々と続く。
チャイコフスキーの曲をロシアの交響楽団が演奏する。メンバーが懸命に汗を出して演奏している。音響の宙に消え人の心に浸み込んだ作品の完成である。テルミカフは演奏を終わるとしばしの間天井を眺めていた。オーケストラと聴衆は一体となった様に思えた。
素晴らしい演奏であった。
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